絶滅
更新世末期にあたる約4万~数千年前に、多くの大型哺乳類と共にマンモスは絶滅した。最後のマンモスは、紀元前1700年頃に、東シベリアの沖合にある北極海(チュクチ海)上のウランゲリ島で狩猟されたという説が提起されている。
原因は未確定であるが、有力な仮説として氷河期末期の気候変動に伴う植生の変化を原因とする説がある。約1万年前に氷河期が終わり、高緯度地域の気温が10度程度上昇した。それまで乾燥した大地であったシベリアは、柳やイネ科の草が広がる草原であり、シベリアで発見された胃の内容物からイネ科の植物が主で他にキンポウゲ科やヨモギ類などを食べていたと推測される。ところが、温暖化に伴って湿潤化し、一年の半分は大量の雪が降り積もる植物の生育に適さない大地へと変貌していった。マンモスの食料となる草木は激減し、マンモスもシベリアから消えていった、というストーリーである。
その他の有力な仮説としては、ヒトの狩猟の対象になったことを原因とするものがある。アメリカ大陸に、1万年前後から人類が進出した。人類がマンモスハンティングに使用した道具はクロビス石器であるが、この石器が登場する1万千年ごろと相前後して、マンモスは地上から姿を消し始める。シミュレーションによれば、アメリカ大陸に人類が進出して800年ほどでマンモスは絶滅している。子どもを一度に1頭しか作らない大型動物であるマンモスは、狩猟圧に弱い動物である。
また、アメリカ大陸のコロンビアマンモスの化石の検証から、伝染病説が最近の有力な仮説として提唱されている。これは、アメリカ大陸でマンモスの化石と一緒に発見された矢じり(人間による狩猟の証拠)は、全体で7件しかないにもかかわらず、病変と見られる大腿骨の変形が8割近くの化石で確認されていることによる。この伝染病の原因は人間が連れてきた家畜であり、そのため人類がアメリカ大陸に上陸した直後にマンモスは絶滅したが、決して人類の狩猟によって絶滅したのではないという説である。